極甘ストロベリィ
「………はぁ………」
啓太さんが出て行った後、堤くんは深くため息をついてドカッと背もたれにもたれ掛かった。
ん──…これは質問してもいい雰囲気……?
「あの…堤、くん?」
「ん?」
堤くんがこちらを見たのを確かめて、私は口を開く。
「えと、……啓太さんって榎本先生の知り合い…?」
「あ──…ていうか、中学からの友達、かな」
「友達……っ!!?」
「そ。そんで、兄ちゃんの仕事はカメラマン。なんか色んな写真撮りたいらしくて外国回ってるけどね」
「すご……」
知り合いにカメラマンがいるってなかなかないよね!!!
つい目がキラキラしてしまう。
そんな私を見て堤くんはふっと笑ってスッと立ち上がった。
「佳世ちゃん、なんか飲む?」
「え?あ、もらおっかな…」
「じゃ、ちょっと待ってて」
そして堤くんは“んーっ”と伸びをしながら台所へ入っていった。