極甘ストロベリィ
少しため息をつきながら卒業アルバムを取り出し、佳世ちゃんに渡す。
「はい……」
「ありがと~」
ニコニコしながら受け取る佳世ちゃんを見て、心がふわっと和んだ。
うん、可愛い。
「堤くん、何組っ?」
「へ?あ~、と…」
今さらだけど、やっぱり見られたくなくて返事を渋ってしまう。
そんな俺を気にもとめず、佳世ちゃんはそそくさとアルバムをめくっていく。
「あ、これ秀弥くん?」
「あー…だね」
ヤバいヤバいヤバい。
3年の時、俺はヒデと同じクラス。
つまり、同じページに俺の写真7あるわけで。
ていうか見えたし、自分の写真。
「ん──…堤くん、どこっ?」
意外とおおざっぱな佳世ちゃんは俺に気付かなかったみたいで、いつの間にか最後のページも見終わっていた。
それはいいから、そんなすがるように俺を見るのはやめて……。
我慢がきかなくなるって…………!!!