極甘ストロベリィ

「全っ然違う──!」



「あは…ちなみに、凌ちゃんと付き合ってたのもその頃」




カミングアウトすれば、佳世ちゃんは口をあんぐりと開けて何回もまばたきをする。

ちょっと面白い、かも。




「し、凌……趣味悪…」



「えっ!!!佳世ちゃん酷いっ!」




何気に傷ついたよ、今!!

今のって遠回しに
“堤くんは好きじゃない”
って言われたよね!!!?

頭を金棒か何かで叩かれたような感覚に陥り、泣きたくなった。




「あ、昔の堤くんがだよ!!?ピアスに金髪って…」



「結局俺だし……」



「だっ、だから!今の堤くんなら趣味悪いとか思わないっていうかっ」



「………今の俺となら付き合えるってこと?」




あんなに必死に否定する佳世ちゃんを見て元気がでた俺は、賭にでてみる。

これで“うん”とか言われたら最高だし。

まあ、有り得な…




「うんっ」




・・・・・はい?

次にあんぐりと口を開けるのは俺のほうだった。

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