極甘ストロベリィ
ぽけーっと佳世ちゃんを見ていると、今度は俺の携帯が音楽を奏でだす。

この曲は……ヒデからメール?

座ったままポケットから携帯を取り出し、メール画面にする。




差出人 ヒデ
件名 (non title)
本文
─────────
凌ちゃんと付き合うことになったよ──\(^◇^)/






…………は?

思わず携帯を落としてしまった。

その音で佳世ちゃんも俺を見る。

えー…と。

なぜかふたりの間に流れる沈黙。




『ちょっと佳世~?』




耳から少しずれた佳世ちゃんの携帯から聞こえる、場違いな凌ちゃんの声。

その声にハッとした佳世ちゃんは、すぐに凌ちゃんとの会話を再開させる。




「あっ、ごめんっ……うん、うん……え?いや、それは…」




そんな佳世ちゃんの声を聞きながら、俺はことの真相を聞こうとヒデにメールを返信する。


……な、ん、で…と。


この“なんで”にいろいろな意味を込めて。
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