極甘ストロベリィ
困った様子の佳世ちゃんを見て、ハッとする。
そんな無理強いしても虚しいだけじゃん……
「……、なーんて!冗談、冗談っ!今の気にしないでいいからっ」
俺は佳世ちゃんを困らせたいわけじゃない。
いつものように笑って言うと、佳世ちゃんは不安そうな顔を俺に向けた。
「そんな顔しないっ!俺は、笑顔の佳世ちゃんが好きなんだから!」
「………え?」
佳世ちゃんの頬を軽く叩きながら笑うと、驚いたような声が聞こえてくる。
……って、今、俺何言った…?
りぴーとあふたーみー…
「す、き……?」
「………あー…佳世ちゃん!そろそろ遅いし、帰ろっ!うん!送るからっ」
「えっ!!」
勢いっていうかなに、あれ。
あの告白はないだろ俺……っ!
柄にもなく赤くなる頬を隠すべく、ぐいぐい佳世ちゃんの背中を押す俺。
あ──…情けねえっ!
自分に嫌気がさしつつも、玄関までたどり着いた時。
佳世ちゃんがピタリと立ち止まった。
押しても動いてくれない。