極甘ストロベリィ

眉間にしわを寄せて振り返ると、申し訳なさそうに凌ちゃんが立っていた。




「ごめんね、いきなり」



「……全然構わないよ~」




なんかいつもよりしおらしい凌ちゃんに違和感を感じつつも、笑顔で応対する。

だって凌ちゃんは悪くないし。

おおかた、ヒデがなんか言って仕方なく来たんだろう。




「とりあえず、あがんなよ」



「うん……」




ったく…自分の彼女ほったらかしにして……

ヒデに不信感を抱きながら部屋に行くと、人の本棚を漁るヒデの姿があった。




「………おい」



「ん?あ!ケン!お前、エロ本は!?」




―――ゴッ




「いってぇっ」



「お前、何しに来たんだよ!」



「……。遊びに!」




今の間はなんだよ。

思いっきり頭を殴ると、少し涙目で俺を見つつ笑顔のヒデに頭が痛くなる。

多分、凌ちゃんと付き合いだした真相を言いに来たんだろうけど。

なんで凌ちゃんと一緒に来るかな……

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