極甘ストロベリィ
第三章
球技大会-佳世side-
―――カッキーン
「おー、飛んだぁっ」
「回れーっ!!!!」
ただいま夏休み前の球技大会中です。
私たち、女子は全員ソフトボール。
7回裏の1点でも入れたら私たちの勝ち、という大事な場面。
ちなみに今打ったのは凌で、ボールはすごい勢いで飛んでいった。
「よしゃ!さすが凌っ!3累までいったし!」
「次ー、佳世だっけ!点数いれるよ!」
「ちょっと、プレッシャーかけないでよぉ…」
プレッシャーをかける友達に、少しだけ泣き言を言いながらバッターボックスに立つ。
そしてふぅ、と息を調えてマウンドに立つピッチャーを見やる。
「プレイボール!」
審判の合図の後、繰り出される速球。
――思ったより早いかも。
でも………
打てない球ではないはず!
そう考えて、2球目は思いっ切りバットを振る。
――カキーン
「よっし!」
バットの芯に当たったボールは、凌同様勢いよく飛んでいった。
「やった――!勝利――!」
クラスメートの声で、凌がホームベースを踏んだことを知り、走りながらガッツポーズしてしまった。