極甘ストロベリィ

「佳世ちゃん?」



「あは、ははっ。やっぱり兄弟だね~」



「へ?」



「マイペースなとこがそっくり!」




笑いながら言うと、堤くんは目をぱちくりさせて私を見た。

…相変わらず大きな目。

とりあえず向けられた目を見つめ返すと、ふっと笑われてしまった。




「初めて似てるって言われたよ」



「うはー!やっぱり共通点あった!知ってたか?雅!」



「知ってた」




なぜか喜ぶ啓太さんに、冷たく返す榎本先生。

そして榎本先生はコトッとコーヒーを置き、私たちに体を向けた。




「つーか、何しにきた」



「あ!ベッド貸して!」



「………へ…」




軽く返事をする堤くんに、私は目を丸くしてしまった。

ベッ……ド、ですと?
ベッドってベッドって……

頭が混乱しまくりの私をよそに、ふたりは話を続けている。




「いいけど汚すなよ?」



「大丈夫、大丈夫。じゃ、借りるね~。ほら、佳世ちゃん!」



「えっ、ちょ、えっ!!!?」




ぐいっと腕を引かれて、ベッドまでつれて行かれる。

これは、逃げるべきでしょうか……?

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