極甘ストロベリィ

その距離を見て苦笑しながらも、堤くんはそのまま口を開いた。




「話ってのは…ヒデのこと、なんだけど」



「秀弥くん?」




少しだけ深刻そうに話を始めた堤くんに、私は少し首を捻りながら聞き返す。




「そ。凌ちゃんって本気、だよね?」



「本気って…付き合ってること?」



「ん」




いきなり何を聞くかと思えば、本気じゃなけりゃ付き合わないよね。

少し不思議に思いながらうなずくと、堤くんは難しい顔をして息を吐いた。




「なに……?」



「この間さ、佳世ちゃんたちが帰った後ふたりで話したんだけど……」



「うん?」



「ヒデの奴、やっぱり本気じゃないみたいなんだよね」



「………どういう、こと?」




堤くんの言ったことが理解できなくて、聞き返してしまう。

本気じゃないって何……?




「遊びとしか思ってない、みたいなんだよ」



「え……」




あの秀弥くんが……?

でも、それが本当なら凌は騙されてるってこと?


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