極甘ストロベリィ
そして再び視線が合わさった時、堤くんはにこっとして立ち上がった。
「俺さ、佳世ちゃんのこと本気だから。今のキスも本気だし」
「………へ…」
「じゃ、そろそろ始まるから先に戻るね~」
私が目を大きく見開いている間に、堤くんは保健室を出て行ってしまった。
……キスって言ったよね、今。
え、今のキス?
「佳世ちゃん?」
なかなかベッドから出て来ない私を不審に思ったのか、タバコをくわえた榎本先生がひょこっと顔を出した。
「………う、そ…」
「おーい」
「………っ」
じゃあ、私は今堤くんとキスしたの?
そう考えると真っ赤になる私の頬。
それを見て驚いたのか、少し面白そうに目を細める榎本先生。
「なに?謙吾にキスでもされた?」
「っっ!!!」
「……あのガキ…」
口をパクパクしながら榎本先生を見ると、呆れたようにため息をついて私の隣に腰掛けた。