極甘ストロベリィ
「わ!……って、お姉ちゃんっ!!?」
「へ?華恋?」
保健室の扉を開けたのは予想外にも華恋だったようで、目をぱちくりさせている。
「あ゛?華恋?」
「あー、せんせーっ!」
そして華恋の姿を目に入れた途端、少し空気の変わった榎本先生。
なんていうか穏やかなんだけど怒ってるような…よくわからない空気。
「…わりぃけど、先に謙吾んとこ行ってくんね?」
「へ?あ、はい……」
「え!!?お姉ちゃん、謙吾先輩のとこ行くの!!?あたしも「お前はこっちだ」
私についてこようと、腕に絡みつく華恋の首根っこを持って、再び保健室の奥へ入ってしまった。
「ちょーっ!せんせ、何すんのーっ!」
「……るせぇ、黙れ」
奥から、なんかいつもと違う様子の榎本先生の声が聞こえてくる。
華恋はいつもどおりだけど。
少しだけ不思議に思いながらも、急がないと堤くんの試合が始まることを思い出し、走って保健室を後にした。