極甘ストロベリィ
球技大会Ⅱ-謙吾side-
うふ、うふふ。
やっちゃいましたよ、俺。
本気と書いてマジと読む勢いで後悔してます、謙吾です。
「はぁ……」
「お前、ため息似合わねえなあ…」
「るせぇっ!てかお前、なんでこんなに近いんだよ」
「ケンをマークすんのが俺の役目だし♪」
何がそんなに楽しいのか、笑いながら言うヒデに多少イラッとしつつ、マークを外そうとする。
一応ね、一応……
ちゃんとしないと俺のクラス怖ぇんだよな。
「謙吾っ!!!!」
「お!よっ…と「あ───!」
パスされたボールを跳んでキャッチすると、聞こえるうるせぇヒデの声。
とりあえずシカトして近くの奴にパスをする。
「…なんでドリブルしねぇんだよ!」
「いや、俺の勝手だろ……」
なんかヒデの相手も、いい加減疲れてきた。
早く終わんねえかな…
そう思っていた時……
「堤くんっ!頑張って!!」
「へ……」
はっきり聞こえた好きな子の声。
パッと見渡せば、少し息を切らしたような佳世ちゃんが目に入った。