極甘ストロベリィ
「おいっ!」
「おー、ケン」
「“おー”って……」
軽く片手をあげるヒデに、軽く脱力してしまった。
でもそんな時間はない。早くしないと佳世ちゃん達の試合始まっちゃうし。
「てか、どした─?」
「今から凌ちゃんの試合あるから行くよ!」
「えー、なんで俺が!」
「お前、彼氏だろうが!」
ヒデといると調子狂いまくりだ。
自分の性格すらわからなくなる。
小さくため息をつきながらヒデの手を引き、その場を後にする。
「ひーとーさーらーいー」
「うるっせぇ!!!」
こいつ…まじでウザい。
――――キャー!
グラウンドに入ると、女の子特有のちょっとキーンとくる声が聞こえてきた。
キョロキョロと辺りを見渡せば、ベンチで応援する佳世ちゃんの姿が目に入った。
やっぱり可愛い……!
オーラが違うっていうか!
バッターにはそんなに親しくない女の子。
そして次のバッターはどうやら凌ちゃんらしく、準備しているのが伺えた。