極甘ストロベリィ

そのときから無意識にわかってたのかもしれない。

次に秀弥くんの口から出る言葉を。




「ね、ねえっ!用って何…?」




笑いながら佳世を見る秀弥くん。

この状況がイヤになった私は、気付いたら大きな声をあげていた。




「んーと、別れませんか?」



「……、え?」




いま秀弥くんは何と言った?

“別れませんか?”

まるで、私に告白してきた時と同じじゃない。

ぼんやりする頭で考えるのは、秀弥くんに告白されて付き合いだした日のこと。










『俺と付き合いませんか?』



『は?』




いきなり何を言い出すのかと思った。

佳世が謙吾に連れて行かれてすぐ、なぜか保健室に連れてこられた私。

そして突然の告白。

頭が回転しなかった。




『だーから、佳世ちゃんとケンも付き合いそうだし!俺と凌ちゃんも付き合おうって!』



『っ、はああああっ!!?』




ようやくはっきりした頭で考えると、嬉しさと混乱とでまた頭が思考を停止してしまった。

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