極甘ストロベリィ


今はこんな俺だけど、昔は……




「未絵!」



「あ、秀弥!帰ろっ」




中1の夏、俺は彼女がいた。
宮元未絵(ミヤモト ミエ)。
その当時、俺は初めての彼女で少し舞い上がっていたんだ。




「ねねね!あのネックレス欲しいっ!」



「え?あれ?」



「うんっ!」




学校の帰りにふたりで入ったアクセサリーショップ。
未絵が指差すのは三千円のネックレス。
中学生には高い金額だったけど、未絵を喜ばせたい一心で俺はなんでも買ってやった。




「んー、まあ、いいよ。買ってあげる」



「ほんとっ!!?秀弥大好きっ!」




ぎゅっと抱きついてくる未絵を見て、俺はずっと心から喜んでくれてるって思ってた。

でも、そんなの俺の勘違いだったんだ。

ある日―――――




「お前昨日、宮元さんと遊んだ?」



「昨日?遊んでないけど」




突然友達に聞かれた前日のこと。

なんでそんなことを聞くのかと眉根を寄せて友達を見ると、友達は目を丸くして俺を見てきた。

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