極甘ストロベリィ
「えー、じゃぁ俺の見間違いかなあ…」
「何がだよ?」
少し首を捻って聞くと、そいつは考え込むようにしながら言葉を発した。
「んー、昨日さ、宮元さんっぽい人が男の人と歩いてたからさあ」
「男……?」
「そ。たしかにお前じゃなかったかな。背的に高校生っぽかったし」
「は?」
高校生?
未絵はひとりっこだから兄ってことはない。
いったい誰………
そんな気持ちのままに迎えた放課後。
「でねー…って、聞いてる?」
「え、あ、ごめん!」
未絵の話もそこそこに考えるのは友達の話。
「……、未絵」
「ん?」
可愛らしく聞き返す未絵に、俺は何も言えなくなる。
「あ、や、名前呼んだだけっ」
「え~?変な秀弥っ」
ふふっと笑う未絵を見ていると、友達の見間違いだったんだと思えてくる。
だって俺たちはこんなに仲がいいんだから。