極甘ストロベリィ
そう。
追求しなかったんだ、そのときの俺は。
後から考えたら、どうしてあの時追求しなかったのかって後悔ばかりだった。
それから数日たったある日曜日。
俺は、その頃仲良くなったケンと街を歩いていた。
「なーんかおもしろいことないかなー…」
「おもしろいことねえ……んー……?」
“んー”と考え出したケンの語尾が少し上がったのが気になって、チラリとケンを見るとケンの視線はある一点に注がれていた。
「ケン?」
「………」
険しい顔をするケンの視線をたどった俺は、自分の目を疑った。
見間違いだ、と思いたかった。
「………み、え…?」
ケンの視線の先にいたのは未絵だった。
未絵の隣には俺より背の高い男がいる。
思わず呟いた俺をバッと見たケンは、さらに顔を険しくして口を開いた。
「やっぱり宮元?」
「多分、ね」
“多分”
そう言いながらも、俺の本能は訴える。
“多分”なんかより確率の高い“絶対”がぴったりだろうって。
だって俺が未絵を見間違えるはずないんだから。