極甘ストロベリィ


「彼女とはぐれちゃったんスよね~」



「あー、まじ?一緒探そうか?」



「や、大丈夫ッス」




何事もなかったかのように、俺はその男と会話をする。

未絵は始終不安そうに俺たちを見ている。

俺はずっと笑ってたけど、ほんとは泣きたくて泣きたくて、何度も気持ちを落ち着かせるために唾液を飲み込んだ。




「じゃ、俺もう行くんで」



「あぁ。彼女見つかるといいな!」



「はい。ありがとうございます!未絵、またな」




最後まで笑って、俺はその場を離れた。


そして次の日から、未絵は俺に近寄ってこなくなった。


それは卒業式まで変わらなくて。



これはただのきっかけ。


でも、この次の日から俺は女に不信感しか抱けなくなってたんだ。



女なんて裏切るもの


だったら信じない


女なんて性欲処理の道具



これが今の俺の信念。







本気の愛なんていらないんだ。

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