極甘ストロベリィ
『ていけんご?』
最初の印象は、可愛い子だった。
パッチリとした二重の目に、流れるように綺麗な真っ黒なポニーテール。
人形みたい……
そう思ったら口を開いたんだ、その人形は。
間違ってたけど、俺の名前を。
笑いそうなのをこらえながら俺は訂正した。
『つつみけんご』
って。
言った途端、きょとんとした顔になる彼女に、何故かドキッとした。
でも、俺は平静を装って会話を続けた。
このまま話し続けたいって思ったから。
その人形は、名前を佳世といった。
可愛い彼女にぴったりだと、そう思った。
女の子に対してこんな気持ちになったのは初めてだったから、どんな会話をしていいかわからなくて変なことを聞いたと思う。
特技と将来の夢。
でも、聞いてよかった。
俺の理想は強くて優しい女の子だから。
空手をしてて、将来の夢が保育士だなんて優しくて強いんだとそう思った。