極甘ストロベリィ
凌が席についた後、私と堤君は顔を見合わせて笑った。
「よかったね」
「うん。佳世ちゃんのおかげだ~」
「ふふっ。でも、ヒデさんは何で凌に会いたいの?」
「彼女が欲しいんだって…」
はぁ、とため息をつく堤君を横目に、私は考えた。
凌ちゃんが彼女なら、ヒデさんは彼氏になるから……
いい出会いだよっ!
だって、凌、いま好きな人いないって言ってたしっ!
「佳世ちゃん?どうしたの?」
ひとりニコニコする私に、心配そうに堤君が声をかけてきた。
「なんでもないよっ」
「そ?ならいいけど。俺、寝るねー」
そう言って、堤君が机に突っ伏した瞬間、授業始まりのチャイムが鳴った。
放課後が待ち遠しい私は、授業中もずっとワクワクしていた。
先生には
『芹沢…何にやけてるんだ』
って言われちゃったけど。