極甘ストロベリィ
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さて、やってきました、待ちに待った放課後ですっ。




「会うだけだからねっ」



「わかってるって~」




教室には、ムスッとした凌と、苦笑いしながら携帯を見る堤君、そしてワクワクしてる私しかいない。




「てか、遅くないっ?」



「あ─…ヒデ、2組だから」



「……うわっ」



「ヒデさん、2組なのっ?」




聞くと、堤君はめんどくさそうな顔をして頷いた。

そりゃそうだ。


だって2組っていったら、口うるさいことで有名な櫻木先生のクラスだもん。




「はぁ……じゃぁ、まだかかるか……私寝るから、来たら起こして」




疲れてるのかな……


凌はそう言うと、返事も聞かずに机に突っ伏して寝てしまった。


すぐに聞こえだす、スースーという寝息。





途端、パタンと携帯を閉じる音がした。


チラッと堤君を見ると、ニコッと私に微笑んできた。



だから、私もニコッと返したんだけど………




「ん──!チャンスだねっ」




その言葉が合図かのように、前から堤君が抱きついてきた。


突然のことに、私の顔は当たり前のように熱をもつ。

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