極甘ストロベリィ
第二章
涙と保健室-謙吾side-
「佳世ちゃん、おはよーっ」
「きゃあっ!!!」
凌ちゃんと秀弥を会わせた次の日の朝、靴箱の前で佳世ちゃんを見つけた俺はガバッと抱きついた。
「つ、堤くん……」
「んー?」
俺の声を聞くと、佳世ちゃんは少し頬を染めながらオドオドと話しかけてくる。
「みんな見てる…んだけど……」
「見せつけちゃえばいいじゃんっ」
「よくないーっ!!」
さらにぎゅっとすると、佳世ちゃんはさらに顔を赤くする。
1ヶ月ぐらい、毎日のように抱きついてるんだけど……
未だに反応が初々しくて、もー……!!!!
「可愛いーっ!!」
「や────っ!!!」
───バチンッ
勢いで頬にキスしたら、思いっきり叩かれた……。
手を出されたのは始業の日以来なんだけど、やっぱり痛い……
「佳世ちゃん酷いーっ!!」
「ひっ、酷くないっ!自分の身は自分で守らなきゃっ」
そう言いながら俺から遠ざかる佳世ちゃんを見てハタとする。
今日は、邪魔がないってことに。