極甘ストロベリィ

───グイッ


「きゃっ」



「…っぶな…」




佳世ちゃんが階段から落ちるのを阻止するため、俺はどんどん歩く佳世ちゃんの腕をグイッと引っ張った。


俺の行動に驚いたのか、佳世ちゃんは目をパチパチと何回も瞬かせている。




「堤くん?」



「落ちる気だったの?」



「え?」




少し怒って言うと、佳世ちゃんはようやく階段に気づいたみたいでサァッと顔が青くなった。




「………っ」



「佳世ちゃん?」



「……だって…」




今にも泣き出しそうな瞳に、今度は俺が慌ててしまう。

なんで!!!?今泣くとこ!?




「だってっ、ぅえっ……」



「えっ、ちょっと佳世ちゃんっ!!!?」




本格的に泣き出してしまった佳世ちゃんに、俺は慌てることしかできない。


女の子を鳴かせることはあるけど、泣かせることはあんまりないから対応に困ってしまう。


と、とりあえず……!!!




「佳世ちゃんこっちっ」




人目のつかない場所にいかないと!!!

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