極甘ストロベリィ

      □

──ガラッ




「ん?堤じゃねえか。どうした?」



「……女の子の泣きやませ方教えて…」



「は?」




人がいない場所なんてなかなかなくて、結局俺が選んだのは保健室だった。


保健室なら、結構眠りにきたりしてるから先生と顔見知りだし!

ちなみに、先生は榎本雅(エノモト ミヤビ)っていって、俺は“えのチャン”って呼んでる。




「…あの…堤く…?」




えのチャンと話していると、目を潤ませた佳世ちゃんがきょとんと俺を見ていた。


………やっば。


すっげー可愛い…!!!!


俺がそう思って、ちょっと悶えてた時。




「おっ?可愛い子連れてんじゃねぇか」




ニヤニヤしながら、えのチャンが口を開いた。

佳世ちゃんは頭の中が“?”でいっぱいって顔してるし。




「かーのじょ、名前は?」



「へ?わ、私っ?」



「そーそー」



「えと、芹沢佳世です」




えのチャンに聞かれて、ペコッと会釈しながら素直に名乗る佳世ちゃん。

…正直……




「面白くねぇだろ」




えのチャンは、人の思うことをすぐに当ててくるからさらに面白くない。

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