極甘ストロベリィ
ちょっとムスッとしていると、隣からクスッと笑いが聞こえてきた。
「佳世ちゃん…?」
「ふふっ…」
その表情のまま、彼女の方を向けば、彼女は笑顔を俺に向けた。
「え、なに……?」
「仲がいいんだね、榎本先生と」
そう一言言うと、またクスクスと笑いの渦の中に入っていった。
「泣き止んでんじゃねえか」
「へ?」
「彼女、泣き止んでんじゃねえか……ふぁあ…」
頭をガシガシ掻きながら、えのチャンは眠そうに言う。
そして、欠伸をしながらベッドの方へと足を向けた。
「急激に眠気が襲ってきた。寝るから後は頼む」
最後には俺に向かってそう告げ、シャッとベッド脇のカーテンを閉めた。
………は?
意味がわからなくて、えのチャンの入ったベッドを見ていると、不意に再びカーテンが開けられた。
「かーよーちゃん」
「はいっ?」
「可愛い子は笑顔が一番だけど、狼に気をつけて」
佳世ちゃんに向かってそう言うと、チラッと俺を見てニヤリとしたえのチャンの手によって、またカーテンは閉じられた。