極甘ストロベリィ
「じゃあさー、なんで泣いてたの?」
「っ、それは…」
俺が聞くと、佳世ちゃんは気まずそうに俺から目をそらした。
……?
「それは?」
「わかんない……」
「へ?」
オドオドする佳世ちゃんの口から出たのは、予想しない一言。
あまりに予想外すぎて、間抜けに開いた俺の口。
「えーと……?」
「あのね、秀弥君は凌でっ、逃げたら階段で……っ」
えーと…多分、佳世ちゃんが言いたいのはこうだ。
凌ちゃんが秀弥を好きだから離れた。
そんで、無我夢中で逃げたら階段が目の前に迫ってた。
でも、佳世ちゃんの話にはまだ続きがあるようだ。
「佳世ちゃ「堤くんが怒ったの初めて見たから……」
俺の声と被った佳世ちゃんの言葉。
その言葉に今度はきょとんとしてしまった。
…………まさか
「え?俺が怒ったから泣いた、の…?」
「…わかんない…けど……」
佳世ちゃん自身、本当にわかんないみたいでずっと下を向いている。