極甘ストロベリィ
芹沢って……
え……???
動きが止まってしまった俺を、彼女、華恋ちゃんは不思議そうに見ている。
「謙吾先輩?」
「…華恋ちゃんって…お姉ちゃんいる?」
そう聞くと、華恋ちゃんはパァッと笑顔になった。
「お姉ちゃん知ってるの!!?」
「多、分……」
華恋ちゃんの勢いに多少押され気味になりながらも、肯定する。
「もしかして、お姉ちゃんのお友達っ?」
「あー、うん、多分…お姉ちゃんが佳世ちゃんなら…」
「そうっ!お姉ちゃんっ」
華恋ちゃんがとびっきり笑顔でそう言った時、ピピッピピッと体温を計り終えた音がした。
そして、体温を見る華恋ちゃんの口から声が漏れた。
「わー…」
「何度あったの?」
「8度手前?」
何の気なしに聞いた答えは、思った以上の高温。
8度って……
「えっ、それ寝てなきゃっ!!!」
「頭が痛いだけだったんだけどなー…」
むーっと考える華恋ちゃんに、また少しだけ佳世ちゃんが重なって見えた。