極甘ストロベリィ
「じゃ、俺行くから。頼んだぞ?」
「んー」
「あ、チャイムが鳴ったら戻れよ?」
「へーい」
えのチャンの言葉に軽く返事をして、ベッドに入る華恋ちゃんに目を向けた。
「華恋ちゃんって、佳世ちゃんのこと大好きなの?」
「うんっ。お姉ちゃんは可愛いし、運動できるし、勉強できるしっ!!しかも、すっっごく優しいんだぁ」
華恋ちゃんは、布団の中から顔だけ出して笑った。
「あー、たしかに…」
初日からキスしようとしたのに、避けないでくれたし。
あぁ見えて運動神経抜群で、勉強だって学年で10位以内だ。
「あたしの自慢のお姉ちゃんなのっ」
華恋ちゃんがそう言った時、1時間目終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「あ、チャイム」
「謙吾先輩、戻る?」
「ん、そだね」
「じゃ、あたしは寝よっと」
「早く風邪治さなきゃだもんねー。じゃ、お大事にね?」
俺がそう言って華恋ちゃんの頭を撫でると、華恋ちゃんの頬にほんのり赤みがさす。
そして、サッと頭まで布団を被ってしまった。
そんな華恋ちゃんに少しだけ笑って、俺は保健室を後にした。