極甘ストロベリィ


「凌?」



「え、あ、先に行った理由だっけ?」



「う、うん」




妙にテンパる凌におされながら頷くと、凌は少し目を泳がせながら口を開いた。




「ちょっと、考えたいことがあって……」



「………秀弥くん…?」




少しだけ頬を染めているのに気付いてそう呟くと、凌は驚いたように私に目を向けた。




「なん……っ!!!?」



「んー、なんとなく…?」




考えながら言うと、凌はさらに驚いたような顔をした。




「佳世の第六感が働くなんて…っ!!」



「んなっ!」




そこ!!!?

少しむーっとしていると、凌はケラケラ笑いながら私の頭をポンポンと叩いてきた。




「はは、冗談、冗談」



「もー…凌のばかー」




そんな言い合いをしていると、気付けば目の前に教室があった。

そして、私と凌は数学の授業中のそこに足を踏み入れた。


先生には




「保健室行ってましたー」




って言ったけど…



なんか罪悪感………



まあ、嘘じゃないんだけど。

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