極甘ストロベリィ
      □

───ガラッ


1時間目が終わったガヤガヤした教室。

突然開いた扉に顔を向けると、なぜか少し上機嫌気味の堤くんがいた。

教科書を直していた私は、堤くんが隣に座ったのを見て口を開いた。




「遅かった、ね?」



「んー、まあ、ね~」




私が探るように聞くと、少しだけ言葉を濁した

……ように感じた。


なんか少しムカッとするんだけど…




「………」



「あ、佳世ちゃん」



「なに…?」



「次の授業って何?」




私が黙り込んだのを気にして話しかけてくれたかと思えば…

授業の話!!!?

あーもうっ!


なんでこんなにイライラするの…?




「かーよちゃん?」



「現代文っ」



「へ?」



「だから、次っ」




自分の気持ちに耐えきれなくなった私は、それだけ言うとガタッと席を立つ。


堤くんは不思議そうに私を見てるけど…


自分でもわからないんだから、何を言うこともできない。

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