極甘ストロベリィ
「凌───ッ!」
「ん?どしたの?」
自分でもよくわからない感情をぶつけるように凌に抱きついた。
ウワーンと抱きついても、凌はいたって冷静。
「なんか変なのーっ」
「は?」
「もやもやって……!!」
私の抽象的な言葉に、凌は眉間にしわを寄せた。
「もやもや……?」
「イライラともやもやって感じ……?」
私自身よくわからないのだから、凌に通じるわけがない。
凌は小さく息を吐いて私を自分から引き剥がした。
「よくわかんないんだけど…」
「私も……」
そう言うと、パシーンと叩かれて。
「いったーいっ」
「自分の中でまとめてから、もう一回来なさいね」
まるで学校の先生のように言う凌に、痛む頭を撫でながらコクコク頷いた。
と、そのとき。
「凌ちゃんって佳世ちゃんにも容赦ないんだねー」
ケラケラ笑いながら私の元へ来る人が一名。
そして、その手は私の叩かれた頭に持っていかれた。
もちろん、その人は話題の人、堤くんなわけで。