極甘ストロベリィ
そんな2人を微笑ましげに見てたら、突然グイッと腕を引っ張られた。
そしてそのまま暖かい腕の中に私は収まってしまう。
「は、へっ……」
「凌ちゃん、大丈夫、かな……」
驚いて間抜けな声を出す私に、堤くんは私の頭に顎を乗せて心配そうな声を出した。
そんな堤くんを目だけで見て、私は口を開く。
「凌だもん。絶対、秀弥くんをコレにするよ!!!」
そう言ってクイッと小指を立ててみせた。
瞬間、ピタッと動きの止まる堤くん。
そして
「ぷっ……あはははははっ」
突然私から離れてお腹を抱えてケラケラ笑い出した。
「えっ、えっ、何???」
私はというと、意味がわからないで堤くんを見ることしかできない。
すると、堤くんはまだ少しにやけの残る顔で説明してきた。
「小指、って彼女でしょ」
「………へ?」
キョトンと聞き返すと、堤くんは私の手を持って小指を曲げさせ、親指を立てさせた。
「彼氏はこーれ」
そして、クスクス笑いながらそう口にした。