極甘ストロベリィ

その時、無性に恥ずかしくなって堤くんの手をバッと振り払ってしまった。




「佳代ちゃん?」




不思議そうに私を見てくる堤くんから少し視線をそらした時、タイミング良くチャイムが鳴り響いた。




「チャイム!席つかなきゃっ」




私はそう言うと、ドタバタと窓際の自分の席へ戻る。


……って言っても堤くんは隣の席なんだけど。







ちなみに次の授業は英語。


堤くんとは関わらなくていいかな、ってホッとしていたのに……




「ちょっと隣の人と机つけてねー」



「………えっ…」




いじめとしか思えない先生の言葉。

チラッと隣を見ると、珍しく起きて授業を受けている堤くんがいた。


なんっで、今日に限って……!




「かーよーちゃーん」



「はいっ?」



「つーくーえ」



「あ、う、うん」




ひとり悶々としていると、突然声をかけられてビクッとする。

そしてその流れのままに机をつけてしまった。

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