極甘ストロベリィ

………っ、きまず…




「佳世ちゃん?えのちゃんのとこ行く?」



「へ?」




タラタラと冷や汗が流れそうになった時、よくわからない言葉をかけられて間抜けな返事をしてしまった。


なんで榎本先生……?




「熱あるんじゃないかなーと思って」



「あ、や、そんなんじゃないから!大丈夫っ」



「そ?」



「う、うん。ありがと」




堤君は“ならよかった”と言いながら黒板に顔を向けた。

………はぁ……


もう、なんかいろいろ心臓に悪い気がしてきた……

















「お、終わった………」



「んーっ!疲れたねー」



「そだね……」




ようやく放課後で、私はほっとしたやらなんやらでため息をついてしまった。


堤君は、英語以外はほとんど寝てたから大きく伸びをしている。


そんな堤君を見て、私は部活動生が部活の準備を始めたグラウンドをぼんやりと眺めた。

< 59 / 160 >

この作品をシェア

pagetop