極甘ストロベリィ
このもやもやーって何なんだろ……
ボーっと眺めていると、不意に肩を叩かれる。
「佳世?どしたの?」
「んーん。なんでもない……あ、帰る?」
振り向いた先にいた凌に笑顔で言うと、凌は不思議そうな顔をしながらも頷いた。
そしてそのとき、既に堤くんの姿はなかった。
いつもなら“一緒に帰ろー”とか言ってくるのに。
なんでもないことのはずなのに、胸の奥の方がチクッと痛んだ気がした。
□
「ただいまー」
「お姉ちゃんっ!!!!おかえりーっ」
凌と話してたら忘れた気持ちのままに帰宅した私。
それを出迎えるのは妹の華恋。
「華恋、早いねえ…」
「ちょっと体調悪かったから帰ってきたの」
「体調!!?そんな起き上がってて大丈夫なの!?」
玄関先で話す華恋に、靴が半脱ぎで中に入ろうとしてしまった。
───ドテッ
「痛っ……」
「お姉ちゃん!!!?」
心配してた私がつまずいてこけたおかげで、逆に心配されてる……
姉としてどうなの、私……