極甘ストロベリィ
自分の情けなさについ、ため息をついた時、華恋が“あ”と声を漏らした。
「?」
起き上がりながら華恋を見ると、華恋はすっごい笑顔で私を見てきた。
「今日ね、すーごく優しい先輩と仲良くなったの!」
「先輩?よかった、ね?」
「うんっ!お姉ちゃんのお友達って言ってたよ」
私の友達?
少し首を傾げると、華恋は私の耳元に唇を近づけ囁いた。
「あのね、謙吾先輩っ」
「けん、ご……?」
女の子だとばかり思ってたから、華恋の口からでた名前に驚いてしまう。
でも、“けんご”って友達…いたっけ……?
私が考え込むと、華恋が恐る恐る聞いてきた。
「お姉ちゃん…もしかして、誰かわかんない……?」
「………う、うん」
「えー、でも仲良さそう……あ!堤先輩って言ったらわかる!!?」
………つつみ?
華恋の言う先輩って、堤くん……?
嬉しそうに言う華恋の声を聞きながら、私は忘れていた感情が蘇ってきたのを感じた。