極甘ストロベリィ
なんで堤くん……?
「お姉ちゃん?あのね、保健室で会ったんだけど…いい人だねっ」
ニコニコしながら話す華恋に相づちをうちながらも、私の心はもやもやしたままだ。
なんなんだろ、ほんと…
首を傾げながら自分の胸に手をあてて考えていた時、華恋の口から思いもよらない言葉が飛び出した。
「で、ねっ!謙吾先輩のこと好きになっちゃったかも!」
「………っ、え……?」
突然の告白に、私は目を見開くことしかできない。
そんな私の異変に気付かない華恋は、笑顔で話を続ける。
「優しいし、かっこいいし!理想にぴったりなんだぁっ」
「そ、そうなんだ……ごめん、ちょっと気分悪いから部屋行くね」
これ以上その場にいると、自分が自分でなくなってしまうような気がして。
私は声をかけてくる華恋の言葉を聞かずに、その場から走って自分の部屋へと逃げ込んだ。