極甘ストロベリィ


「………っ、も、やだ…わけわかんない……」




部屋についた私は、扉に背中を預け、ずるずると座り込む。


今までこんな気持ちを持ったことはなかった。


だからこそ、この気持ちが何なのかわからないでいる。




「……凌に電話してみよ、かな…」




何もしないでいると、それはそれで余計なことを考えてしまう。

いや、考えきれなくてイライラしてしまう。


だから、携帯電話を取り出し、凌に届くボタンを押した。



───PRRR PRRR PRRR



『佳世?』



「、凌……っ」




たった三回の呼び出し音がすごく長く感じた。

凌が電話に出た途端、ふっと安心できて涙が零れるのを感じた。




『え、佳世?ちょっと、なに泣いてんのよ!!?』



「…っ、わかんな……ヒック…」




電話越しに凌が焦ってるのがわかるけど、私だってなんで泣いてるかわかんない。


そう言うと、凌は小さく息を吐いた。

そして




『今から佳世んち行くから。じゃ、また後でっ』



「へ……?」




それだけ言うと凌はガチャッと電話を切ってしまった。

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