極甘ストロベリィ
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「佳世ーっ!」
「し、凌……」
本当に来てくれた凌に驚きながらも感謝の気持ちでいっぱいだ。
まあ、凌が来るまでの間に涙は止まってしまったけど。
「で、どうしたの?」
部屋に入るなり、いきなり本題に入る凌に少し戸惑いながらも私は口を開いた。
「よく、わかんない…」
「は?」
「なんかね、堤くんの話を聞くとモヤモヤとかイライラとかしちゃって……」
俯きながら、一言一言噛み締めるように言う私を凌は黙って聞いてくれる。
「それで、ね。なんでこんな気持ちになるのかわかんなくて……」
「………は!!!?」
私が呟くように言うと、凌の瞳がカッと見開かれた。
正直怖い……
少しビクッとしながら凌を見ると、凌は大きく深呼吸して表情を穏やかなものとする。
「つまり、佳世は自分の気持ちが分かってない、と」
私が小さく頷くと、凌は盛大なため息をついた。