極甘ストロベリィ
じとーっとえのチャンを見ていると、えのチャンは大きく息を吐きながら床を指さす。
「ここはどこ?」
「……保健室…?」
「ここの主は?」
……主って……
なにが言いたいかはだいたいわかってきたけど。
「えの、チャン…?」
「だよなー。このテリトリーでは俺の言うことは絶対だよな」
タバコに火をつけながら、えのチャンは見下したかのように俺を見る。
「……何様だよ…」
「雅様だ」
うっわー……
なにこの人……
女の子連れてくるのも癪だし…
帰ろう
そう思って鞄を手に取った時、突然ポケットからバイブ音がしだす。
「……メール……あ、違う…電話……?」
ポケットから携帯を取り出し、番号を見れば知らない番号。
「……誰…」
鳴り止まない携帯を手に持ってると、えのチャンがひょいと取り上げて
「はいはい?」
……なに勝手に出てんだよ、この人……