極甘ストロベリィ
少し眉間にしわを寄せていると、佳世ちゃんが声を出した。
『あ、迷惑、だった……?』
「全然っ!!!そんなことないって!」
少し寂しそうに聞こえた声に慌てて返すと、安堵したような息が聞こえてきた。
「何か用事あった?」
『っえ!!?』
電話の理由を話そうとしない佳世ちゃんに聞くと、何故か驚いたような声をあげられた。
………へ?
「いや、佳世ちゃん、用事……」
『あ、え、用事……は特にない、んだけど…』
「え……ない、の?」
予想外の言葉に、少し声がうわずってしまった。
いや、だって、用事がなくて電話してくるって…
『ただ、電話してみた、だけだから……』
「そ、そか……」
俺は頭の中で“?”がずっと渦巻いていて、間抜けな返事をしてしまった。
そしてそのあとに流れるのは沈黙。
まあ、用事がないんだから話が続かないのは当たり前なんだけど。