極甘ストロベリィ
何か話題がないかと考えていると、佳世ちゃんが少し控え気味に聞いてきた。
『…今日、なんで先に帰った、の……?』
「………え?」
『いつもなら一緒帰ろって言うのに言わなかったから…気になって………』
どうしよう
顔がニヤケる……
だってこの質問はアレじゃん!俺を少なからず好きって言ってるようなもんじゃん!
『堤くん?』
「へ?あ、特になんでもないんだけど……」
本当は佳世ちゃんに避けられてると思ったからなんだけど。
不安げに聞いてきた佳世ちゃんに返事をしながら、そう考える。
すると、佳世ちゃんからホッとしたような小さなため息が聞こえてきた。
それを聞いて、俺は口を開いた。
「ね、佳世ちゃん」
『え?』
「……あ…や、なんでもない」
自分でも何を言おうとしたかわからなくて言うと、少しの間ができる。
きっと電話の向こうでは佳世ちゃんがキョトンとしてるんだろう。