極甘ストロベリィ

何か話題がないかと考えていると、佳世ちゃんが少し控え気味に聞いてきた。




『…今日、なんで先に帰った、の……?』



「………え?」



『いつもなら一緒帰ろって言うのに言わなかったから…気になって………』




どうしよう

顔がニヤケる……


だってこの質問はアレじゃん!俺を少なからず好きって言ってるようなもんじゃん!




『堤くん?』



「へ?あ、特になんでもないんだけど……」




本当は佳世ちゃんに避けられてると思ったからなんだけど。


不安げに聞いてきた佳世ちゃんに返事をしながら、そう考える。


すると、佳世ちゃんからホッとしたような小さなため息が聞こえてきた。

それを聞いて、俺は口を開いた。




「ね、佳世ちゃん」



『え?』



「……あ…や、なんでもない」




自分でも何を言おうとしたかわからなくて言うと、少しの間ができる。


きっと電話の向こうでは佳世ちゃんがキョトンとしてるんだろう。

< 71 / 160 >

この作品をシェア

pagetop