極甘ストロベリィ
そんな凌を見た後の堤くんの動きは素早かった。
「ヒデ、凌ちゃんよろしく!」
「ほい、任された!」
完璧にフリーズした凌の肩を押して秀弥くんに近付けると、今度は私の手を握ってきた。
「………っ!!!?」
「れっつごー!」
「へ、あ、え…!!!堤、くんっ?」
そしてそのまま歩き……いや、走り出した堤くんに戸惑いを隠せない。
置いてきた凌が心配だけど、実際私はそれどころじゃなくて。
どこに行くのか
とかよりも、手を握られてる状況に顔が火照るのを感じていた。
ある程度歩くと、堤くんはようやく足を止めて振り返った。
「佳世ちゃん、今日…学校さぼろ?」
「………へ?」
可愛らしく首を傾げる堤くんに、私はこれ以上ないってぐらいの間抜け声で返した。
それほどその一言は唐突だったわけで。
「さぼろ……って…?」
「んー、気分転換?」
目を何回も瞬かせながら聞くと、堤くんはまた可愛らしく返してきた。