極甘ストロベリィ
両脇にサルの置物がある入場門を抜けると、そこはパラダイスでした。
「あっ!ライオンっ!堤くん、ライオンっ!」
「へ、ちょ、佳世ちゃんっ!!?」
さっきまでとは立場が正反対に、私はライオンの檻まで駆け寄っていった。
「ライオンって、猫なのにかっこいいよねー」
「そだね」
ぽーっとライオンに見とれていると、堤くんが不思議そうに尋ねてきた。
「佳世ちゃんって…動物好き、なの?」
「大好きっ!可愛いしかっこいいしっ!」
「じゃあ、動物園を選んだのは正解、かな…」
ボソッとそう呟いた堤くんに私は首を傾げつつ、ライオンの前を離れた。
次に向かうのは熊だ。
「熊ーっ!大きーいっ!」
まあ、熊だし大きいのは当たり前なんだけど。
ふと隣を見ると、堤くんが自動販売機で何かを購入していた。
「堤くん?何買ったの?」
「ん?熊のエサ。佳世ちゃん、あげたいんじゃないかと思って」
そう言いながら堤くんは、ポンっと私の手に熊のエサを置いた。