極甘ストロベリィ
「……ほへ」
「ほら佳世ちゃんっ!あの熊立ってるよっ!」
ぽけっとしていると、堤くんが肩を揺すってきた。
そして言われるままに熊に目線を戻す。
「っ、か、かわい……!」
私の見た先にいたのは立ち上がって、こちらに手招きをしているような熊の姿。
すんごく可愛い。
「ねねね!あれって何してんのかなっ」
思わず堤くんの肩をバシバシ叩いてしまった。
すると、堤くんは熊にエサを投げながら私に笑いかけてきた。
「多分…ご飯ちょうだいって言ってんじゃない?」
「ふあ---!やっぱり!!?」
ちょっと感動しながら堤くんと同じようにエサを投げた
……んだけど。
────ポシャンッ
少し切ない音を出して、エサは檻の中の池に落ちてしまった。
「……なんでっ!」
池に落ちたエサを必死に手繰り寄せる熊を見ながら、むなしくなってしまった。
「あははっ。佳世ちゃん、もうちょいふわっと飛ばしてみなよ」
すると、堤くんは笑いながらも私にアドバイスをしてくれて。
それを聞いてから2つ目のエサを投げ入れた。