極甘ストロベリィ
すると、今度は熊の手…てか足…にすっと入っていった。
「わー!受け取ってくれた!」
「やったね!」
「うん………っ!!!!?」
かなり嬉しかった私は、気付けば堤くんに密着してたみたいで。
顔を上げた瞬間、その端正な顔が至近距離にあってカァッと顔を赤くしてしまった。
「佳世ちゃん?」
「っ!」
不思議そうに聞いてくる堤くんから目をそらそうとするんだけど、堤くんの瞳がそれを許さない。
「あ、あの…っえと…」
「………あ!おなかすいた?」
「へっ?」
どうしようかと戸惑っていた時、堤くんがポンっと手をうった。
「いや、おやつの時間かなーって」
「あ、や、大丈夫…っ」
見当違いのことを言う堤くんに逆に戸惑いつつ、私は首を横に振った。
すると堤くんは“そ?”と言いながらにこっと笑う。
と、そのとき。
───PRRR PRRR PRRR
辺りに鳴り響く無機質な機械音。
音の発信源は堤くんのポケットみたいで、堤くんはゴソゴソてポケットを漁りだした。