極甘ストロベリィ

      □
というわけで、俺たちは今動物園内にあるレストランにいる。

目の前の佳世ちゃんはワクワクとメニュー表を見ている。


そんな佳世ちゃんに、思わず笑いが込み上げきた。




「ははっ」



「?堤くん?」




メニュー表の上からひょこっと顔を出して、少しだけ首を傾げるその仕草がたまらなく可愛い。

“萌え”

ってこういう気持ちなのかなーなんて思っちゃって。




「どうかした?」



「ん?佳世ちゃん可愛いなーって」



「………なっ!?」




いきなりの“可愛い”発言にぼっと顔を赤くする佳世ちゃん。

やっぱりいつまでも初々しくて、俺の心に流れる“森のくまさん”


佳世ちゃんの可愛さは童謡ってかんじなんだよね


ちょっとにやけながら佳世ちゃんを見ていると、突然ペシッと手を叩かれた。

不思議に思って佳世ちゃんを見ると、顔を赤くしてぼそぼそと呟くように




「は、早く決めてっ」




と言いながら俺にメニュー表を突きつけてきた。

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