極甘ストロベリィ
佳世ちゃんが首を傾げた時、店員さんが来て。
俺はほっと胸を撫で下ろした。
あんなこと考えてたのバレたら……絶対ひかれる…
そんなことを考えながら、親子丼を注文した。
□
「あ、おいしい!」
ナポリタンを口にした佳世ちゃんの第一声に少しだけ驚く。
だって、こういう…動物園とかのレストランってたまに美味しくないし。
そう思いながら俺も親子丼を口に入れる。
・・・・・・
「……ふつー…」
思わずそう呟いてしまうほど、普通の親子丼だった。
そして、俺の発言に佳世ちゃんはクスクス笑い出す。
「普通って……あははっ」
「いや、ほんとに普通なんだって!!食べてみて!」
「………え?」
あまりにも普通すぎる味をわかってもらいたくて、俺はスプーンを佳世ちゃんに突き出していた。
突き出した瞬間は何も考えてなかったんだけど……
戸惑いを見せた佳世ちゃんに、自分のしていることの重大さに気づいた。