極甘ストロベリィ

佳世ちゃんが首を傾げた時、店員さんが来て。

俺はほっと胸を撫で下ろした。

あんなこと考えてたのバレたら……絶対ひかれる…


そんなことを考えながら、親子丼を注文した。





      □
「あ、おいしい!」




ナポリタンを口にした佳世ちゃんの第一声に少しだけ驚く。

だって、こういう…動物園とかのレストランってたまに美味しくないし。

そう思いながら俺も親子丼を口に入れる。


・・・・・・



「……ふつー…」




思わずそう呟いてしまうほど、普通の親子丼だった。

そして、俺の発言に佳世ちゃんはクスクス笑い出す。




「普通って……あははっ」



「いや、ほんとに普通なんだって!!食べてみて!」



「………え?」




あまりにも普通すぎる味をわかってもらいたくて、俺はスプーンを佳世ちゃんに突き出していた。

突き出した瞬間は何も考えてなかったんだけど……

戸惑いを見せた佳世ちゃんに、自分のしていることの重大さに気づいた。

< 90 / 160 >

この作品をシェア

pagetop