極甘ストロベリィ
いや、俺にとっては普通のことなんだけど……間接キス。
佳世ちゃんは顔を赤くして固まってる。
「あー…いらない?」
「…ち、違くて…えと……いるっ」
「へ……?」
佳世ちゃんには刺激が強いのかなーとか思って、スプーンを自分の方に戻そうとした時。
悩んだ末の決断だったんだろう。
佳世ちゃんは顔を赤くしたまま、スプーンをくわえた。
・・・・・・
かっ、可愛い…
らしくもなく、赤面してしまった。
「ふ、普通、だね」
「へっ…あ、でしょ?」
2人で顔を赤くして、少し緊張気味な笑い声が漏れる。
と、突然耳に入ってきた隣の席の人たちの会話。
「あの子たち、カップルかしら…いいわねえ。初々しくって」
顔は動かさず、目だけで隣を見ると、明らかに俺たちのことで。
“カップル”
この単語にすごく舞い上がってしまった。
多分、周りから見たらただのバカップルに見えてるんだろう。