極甘ストロベリィ
きょとんとする佳世ちゃんと目が合い、流れるのは少し気まずい空気。
「あー…」
「ねっ!堤くんっ!」
目を泳がせて言葉を探していると、佳世ちゃんがクイクイッと俺の服を引っ張った。
視線を佳世ちゃんに戻すと、キラキラした眼とぶつかる。
……………?
「あれ!行こっ!」
「あれ?…ふれあい、広場…?」
「そっ!うさぎっ!」
100メートルぐらい先に見える文字を確認し、口に出すとぱぁっとした笑顔が向けられる。
あは。俺、そろそろマジでやばい。
何がって……下半身?
でも襲ったら絶対嫌われるし。
頭ではそんなことを考えながらも、佳世ちゃんには笑顔で対応する。
「じゃ、行こっか」
「うんっ!」
俺の頭の中の葛藤を知らない佳世ちゃんは、さらに笑顔を浮かべて“ふれあい広場”へ走っていった。
俺は、自分の中のやましい気持ちと闘いつつ佳世ちゃんの後を追った。